「ユベラNカプセル100mg」は、末梢血管の血液の流れを改善したり、コレステロールなどを低下させて、高血圧症などの症状を改善する働きがあります。
このお薬は、高血圧症に伴う随伴症状、高脂質血症、閉塞性動脈硬化症に伴う末梢循環障害の治療に用いられます。
この薬は店頭販売のみです。
<一般的名称>
トコフェロールニコチン酸エステル製剤
<効能又は効果>
下記に伴う随伴症状
高血圧症
高脂質血症
下記に伴う末梢循環障害
閉塞性動脈硬化症
<用法及び用量>
カプセル100mg
通常、成人にはトコフェロールニコチン酸エステルとして1日300~600mg (1日3~6カプセル)を3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
臨床成績
臨床効果
(1) 高血圧症
二重盲検試験及び一般臨床試験において高血圧症の随伴症状の改善が認められた。特に手足のしびれ感、めまい感、首すじや肩のこり、頭痛、不眠、耳鳴、息切れ、抑うつ、四肢冷感などの随伴症状を改善した。
高血圧症等を基礎疾患とした四肢末端の冷感、しびれ感を訴える高齢者40例を対象とした比較試験において、サーモグラフ写真・サーモグラフ温度分布ヒストグラムでは、60% (12/20) に中等度以上の改善が認められ、全例に軽度以上の改善が認められた。
(2) 高脂質血症
高脂質血症を対象とした一般臨床試験において、本剤投与2カ月後の臨床成績は、投与前の各検査値に比し、総コレステロール高値例では有意な減少が、HDL-コレステロール低値例では有意な上昇が認められ、過酸化脂質は有意な減少が認められた。
(3) 末梢循環障害
閉塞性動脈硬化症等の末梢循環障害に対して二重盲検試験及び一般臨床試験において有用性が認められている。
<薬効薬理>
1. 脂質代謝改善作用
(1)
加齢ラットやコレステロール負荷ラットの実験でコレステロールの代謝回転を高めることにより、血中総コレステロール値を低下させる。これは本薬がコレステロールの異化・排泄を高めるためと考えられる。さらに過酸化脂質、中性脂肪も低下させる。
(2)
ヒトの血中総コレステロールを低下させ、リポ蛋白代謝において血中HDL‐コレステロールを上昇させる。
2. 微小循環系賦活作用
(1)
本薬の微小循環系賦活作用は、神経系を介さず、血管平滑筋に直接作用し、血管運動性を維持しながら耳殼血流を増加させることが無麻酔ウサギの実験で認められている。
(2)
ヒトの末梢循環不全に対する改善作用は、ビタミンEとニコチン酸との併用よりも明らかに優れている。
3. 血管強化作用
ヒトの毛細血管の透過性亢進を改善し、紫斑数を減少させることが認められている。
4. 血小板凝集抑制作用
(1)
ヒトの凝集能が亢進している血小板に対するアドレナリン凝集、アラキドン酸凝集、コラーゲン凝集、ADP凝集のいずれにおいても血小板凝集抑制が認められている。
(2)
ヒトの多血小板血漿に対するアラキドン酸凝集、コラーゲン凝集において血小板凝集抑制作用をトコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールで比較した結果、トコフェロールニコチン酸エステルが強力な抑制効果を示した。
5. 血中酸素分圧上昇作用
ヒトにおいて低下した血中酸素分圧を上昇させることが認められている。
<製造販売元>
エーザイ株式会社