「ハイチオール錠80」は、生体内代謝系でSH酵素の賦活剤として作用し、皮膚代謝の正常化、抗アレルギー、解毒などの作用を示し、また、放射線照射時の白血球減少を抑制します。
通常、湿疹、蕁麻疹、薬疹、中毒疹、尋常性ざ瘡、多形滲出性紅斑、放射線障害による白血球減少症の治療に用いられます。
「ハイチオール錠80」は、1錠中にL-システインが80mg(市販薬の2倍)配合されています。
この薬は店頭販売のみです。(通販はできません。)
<有効成分>
L-システイン
<含量>
1錠中80mg
<効能又は効果/用法及び用量>
○湿疹、蕁麻疹、薬疹、中毒疹、尋常性ざ瘡、多形滲出性紅斑
通常成人下記1回量を1日2~3回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
L-システインとして1回80mg
使用上の注意
副作用
副作用等発現状況の概要
2122例中副作用が報告されたのは14例(0.66%)で、その主なものは悪心10件(0.47%)、下痢2件(0.09%)等であった。(承認時及び市販後)
1. 消化器(0.1~5%未満)
悪心
2. 消化器(0.1%未満)
下痢、口渇、軽度の腹痛
<高齢者への投与>
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
<臨床成績>
1.
皮膚科
一般臨床試験として1326例、二重盲検試験として189例の総計1515例について臨床試験を実施し、本剤の有効性が認められている。1)2)疾患別の有効率は、湿疹・皮膚炎86.0%(227/264)、蕁麻疹71.9%(120/167)、薬疹・中毒疹89.0%(250/281)、ざ瘡75.4%(255/338)、紅斑86.6%(123/142)であった。
2.
放射線科
一般臨床試験として249例、二重盲検試験として189例の総計438例について臨床試験を実施し、各種癌患者の放射線治療における放射線防護効果を白血球減少の発現を指標として判定したところ、一般臨床では有効率83.9%(209/249)、二重盲検においても有意の薬効が認められている。
<薬効薬理>
L-システインは、生体内代謝系において、SH供与体としての役割を果たし、SH酵素のactivator(賦活剤)として作用する。
1. 皮膚科関連
皮膚代謝の正常化、抗アレルギー、解毒などの作用により各種皮膚疾患に応用される。動物実験において、実験的皮膚糜爛の治癒時間短縮(モルモット)、浮腫抑制・透過性抑制・キニン様物質の遊離活性の抑制(モルモット)、各種化学薬品・重金属・農薬に対する解毒効果(マウス・ラット)などが報告されている。
2. 放射線科関連
放射線を照射した動物の延命(マウス)、白血球減少抑制(ラット)、脾障害の防護(マウス)などが報告されており、臨床的には放射線療法にともなう白血球減少症に応用される。
<製造販売元>
久光製薬株式会社